Goemon for 刀屋壱

殺陣パフォーマンスグループ『刀屋壱』の新作「五右衛門」のエンディング曲をリリースしました!

ジャンル:インストゥルメンタル
リリース:2023年6月11日
アーティスト:Hagi

日本以外の音色で『和』を表現

前作のEP【狐火】では全曲制作しましたが、今回は1曲だけ作曲し、オープニングとエンディング用に2バージョン制作しました。

制作依頼を受けた時、すでにサウンドのイメージは持たれていたので、その参考曲を元に与えられたサイズと構成でオープニング曲を創りました。

制作前、まずは参考曲を聴き、使用している音色の分析です。
曲全体は、日本『和』の雰囲気です。
しかし分厚い民謡のようなコーラスは、ブルガリアンボイスっぽい雰囲気を感じました。
コーラスの旋律には、こぶしも効いていたので日本の民謡のような雰囲気もあります。
そして、和太鼓でしょうか?迫力満点の打楽器も鳴っています。
他には、ハンドクラップを加工したような打楽器、中国の二胡、ストリングス、鈴、チベッタンベル等の音色で構成されていました。

曲の雰囲気を作っている音色は、コーラスと太鼓

参考曲の雰囲気を作っているのは、ブルガリアンボイスと和太鼓でした。
その独特な響きを持ったコーラスの雰囲気を上手く表現できるか少し不安になりましたが、随分前にブルガリアンボイスのソフトシンセを購入していた事を思い出したので試してみる事にしました。

若い頃からブルガリアンボイスが好きだったので、いつか必要になるかもしれない?!と思って購入していたんです!きっと購入時にどんな音が鳴るかチェックしたはずですが、全く思い出せません。

このシンセの音色が、今回制作する曲にハマって欲しい!と思いながら、久しぶりにブルガリアンボイスのパッチを立ち上げました。

ブルガリアンボイスの音色が鳴るソフトシンセの画面

鳴らした瞬間、イメージにぴったりとハマるコーラスの音色だったので安心しました。

ただ、音域が狭かったので、フレーズには工夫が必要になりそうだと感じたのと、ハーモニーがぶつからないか少し不安な点もありました。

日本の楽器は鳴っていない?

それにしても、面白いですね!
日本の民謡ボイスではなく、ブルガリアンボイスを使って『和』の雰囲気を演出するんですからね。
他に使用した音色も、和太鼓のようで中国の太鼓だったり、弦楽器の二胡も中国の音色です。迫力を出すために鳴らしたゴング(Tam Tam)も、中国が起源のようです。
もしかすると今回使用した鈴は、日本の鈴かもしれませんが、不明です。
その他、ストリングスは、西洋の楽器ですし。。

 *イントロの最初に聞こえるソロのボイスは、ブルガリアンボイスではありません

日本の伝統的な殺陣シーンのBGMなのに「日本の楽器は鳴っていないのか?」とツッコミを入れられそうです(笑)

個々の楽器音にも、耳を傾けると面白く聴けるかもしれません。

これがブルガリアンボイス!

言葉では上手く説明できません。
美しく力強く、そして不思議な魅力たっぷりのブルガリアンボイスを聴いて下さい。

2種類の太鼓で分厚く!

迫力ある太鼓は、低音域を響かせる音色とバチが皮に当たるアタック感を足す音色の2種類を重ねています。共に5台の太鼓が、分厚く鳴ります!
低音域は、WAVESのRenaissance Bassで調整しました。

低音域の迫力を出した音色
アタック感を足した音色

長さが足りない?!

稽古のビデオが送られてきましたが、エンディングのシーンにオープニング曲を当てると曲の長さが2分くらい足りていません。。

2分30秒の曲で2分も足りないと、どう修正しようか迷います(笑)

元々の構成は、[A] [B] [C] ですが、[B] の部分を伸ばす必要がありました。
[B] に変化を加えながら何回か繰り返そうと思って修正し始めたのですが、[B] の部分だけが長くてもバランスが悪くなります。

舞台のラストシーンで流れるエンディングバージョンでは、躍動感のある [D] パートを創り、クライマックスの殺陣シーンをサウンドでも盛り上げようと思いました。この提案を受け入れて頂き、新たに [D] パートを加えてエンディングバージョンのこの曲が完成しました!
構成は、[A] [B] [D] [B] [C] です。

また、オープニングバージョンには2パターンあり、素朴な笛のフレーズで始まるバージョンがあります。
このイントロで使用した笛の音色は、法竹(ほっちく)ですが、法竹と尺八の違いを知りません。この二つの楽器の違いを勉強するのも、面白そうですね。

オープニングバージョンは、リリースしませんので興味を持たれた方は、ぜひ刀屋壱さんの舞台を観に行ってください!

CD一覧

HagiのCDは、”q-on”(クオン)というレーベルからリリースしています。音楽だけにとどまらず、あらゆるクリエイターの情報発信の場となるようにと、アーティスト Hagiが発足したレーベルです。


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